2021年07月09日
様々な専門科目がある美術科では、3年生になると数学か版画のどちらかを選択します。
版画選択者は今回木版画について学び、色ごとに版を分けて刷り重ねる「多版多色刷り」に挑戦しています。
はじめに下絵を考え、次に色ごとの版木に絵柄を転写します。
ちなみに、それぞれの色が一枚の紙の上でずれないよう、位置をあわせるガイドのことを「見当」といい、「見当をつける・見当違い」などの語源となったものです。
彫刻刀で版木を彫る作業も思いのほか大変です。怪我をしないように、持ち方や動かし方、手の位置など、安全面でも注意を払います。
刷りの段階でも、刷毛やバレンの使い方、絵の具の濃さなど、身体で覚えることばかりです。同じように刷っていても微妙な変化が生まれます。ちなみにこの作品は、計6版のうち5版目を重ねた段階です。
一連の過程を経験すると、江戸時代から続く日本の伝統的な浮世絵版画に携わる「彫師」や「刷師」といった職人たちの技巧の凄さを改めて実感します。
今回の作品は生徒同士で作品交換をするほか、後日額装してお披露目する予定です。
3年生の皆さん、完成まであと一歩。頑張りましょう!
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