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SSH特別事業 佐賀大学・戸上電機製作所研修 ー最先端の科学から社会実装へー

2026年10月28日


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2026年10月28日

SSH特別事業 佐賀大学・戸上電機製作所研修 ー最先端の科学から社会実装へー

10月27日(火)本校SSH研究開発事業の一環として、佐賀大学および株式会社戸上電機製作所を訪問し、最先端の科学・情報技術と、それらが社会でどのように活用されているかについて学ぶ研修を実施しました。

今回の研修では、「コスメティックサイエンス」「情報科学・AI」「ものづくり・電力インフラ」という異なる分野を横断し、大学での研究から企業における社会実装まで、科学技術が社会につながっていく過程を体感しました。

■ 身近な「化粧品」を科学する ― コスメティックサイエンス

佐賀大学では「コスメティックサイエンス入門 ~化粧品を科学の視点から紐解く~」の講義を受講しました。化粧品科学は、化学や生命科学だけでなく、皮膚科学、マーケティング、デザインなど、さまざまな分野が交わる学際的な研究分野です。

講義では、乳化や皮膚のバリア機能など、普段使っている化粧品に隠された科学について学びました。さらに、有効成分を皮膚に届けるためのマイクロエマルションやバイセルなどのナノテクノロジー、SPring-8を活用した分析など、最先端の研究にも触れました。また、学生が化粧品の試作や香りの調合、フィールドワークなどに主体的に取り組むPBL(プロジェクト型学習)についても紹介していただきました。

特に印象的だったのは、「実験」と「研究」の違いです。決められた手順を通して基礎を身につける「実験」に対し、「研究」は答えのない課題に対して、自ら方法を考え、試行錯誤しながら答えを探していく活動です。本校で取り組んでいる課題研究にもつながる、大切な視点を学ぶことができました。

■ 情報を正しく理解し、AIを「ブラックボックス」にしない

情報科学に関する講義では、ネットワークの仕組みから信号処理、医療分野での応用、AI開発まで、幅広い内容について学びました。メールアドレスやURLの構造、DNSの仕組みなど、普段何気なく利用しているインターネットの裏側について学ぶとともに、類似したドメインを利用したフィッシングなど、情報社会を安全に生きるための知識についても考えました。

さらに、音声や画像、動画を「デジタル信号」として捉え、フーリエ解析などを用いて情報を取り出す技術について学習しました。医療画像から周期的な変化を解析し、診断に役立てる研究例も紹介され、数学や物理、情報科学が医療の現場につながっていることを実感しました。

講義の最後には、AIを利用する際に、その出力だけを見るのではなく、

「どのようなデータを使ったのか」、「どのような処理を行ったのか」、「なぜその結果になったのか」

というプロセスを理解することの重要性が示されました。AIを単なる便利な道具として使うのではなく、その仕組みや限界を理解し、責任をもって活用することの大切さを学びました。

■ 科学技術が社会を支える現場へ ― 戸上電機製作所

株式会社戸上電機製作所では、私たちの暮らしに欠かすことのできない電力の安定供給を支える技術と、その製造現場について学びました。戸上電機製作所は、長年にわたり配電用開閉器や制御装置などを開発し、電気事故が発生した際に影響を最小限に抑えるための製品を通して、社会インフラを支えています。

工場では、設計段階でのシミュレーション、X線を用いた検査、自動化された生産設備、製造工程の「見える化」など、高い品質を実現するためのさまざまな工夫を見ることができました。

また、再生可能エネルギー関連機器や水処理技術など、培ってきた技術を新たな社会課題の解決へと展開していることについても学びました。

さらに印象的だったのが、「人は宝」という考え方です。技術を次の世代へ受け継ぐため、若手技術者の育成や技能継承にも力を入れており、最先端の設備だけではなく、それを生み出し、支える「人」の存在がものづくりにとって不可欠であることを実感しました。

■ 「学ぶ科学」から「社会をつくる科学」へ

今回の研修では、化学・生命科学と美や実用を融合するコスメティックサイエンス、現代社会を支える情報科学やAI、そして、大学で培われる知識や技術を社会の課題解決へとつなげる企業のものづくり、という異なる分野に触れることができました。

一見すると異なる分野ですが、そこには共通して、「身近な疑問を科学の視点で捉えること」、「答えのない課題に挑戦すること」、得られた知識や技術を社会のために活用すること」という、科学的探究の大切な姿勢があります。

 大学での「研究」と企業での「社会実装」を一続きのものとして体感することで、生徒たちにとって、自分たちが学校で学んでいる数学・理科・情報などの知識が、将来どのように社会とつながっていくのかを考える貴重な機会となりました。今回の経験が、生徒一人ひとりの「もっと知りたい」「自分も挑戦してみたい」という思いにつながり、これからの探究活動や進路選択を考えるきっかけになることを期待しています。

佐賀大学ならびに株式会社戸上電機製作所の皆さま、このたびは貴重な学びの機会をいただき、ありがとうございました!

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