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「強さと美しさを生み出すペーパーエンジニアリング」

2026年09月10日


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2026年09月10日

「強さと美しさを生み出すペーパーエンジニアリング」

9月9日(水)、SSⅠの授業で、美術科主任の弘先生による「紙を用いた立体構造制作」に関する特別講義が行われました。

今回の講義は、物理や構造力学の考え方と美術的なデザインアプローチを融合させ、強度と美しさを兼ね備えた立体構造を作り出す手法を学ぶものです。美術科で毎年実施されている「エッグドロップコンテスト」(体育館2階・高さ7mから生卵を落としても割れない保護構造体を紙で制作する取り組み)の事例なども紹介され、生徒たちは興味深く耳を傾けていました。

はじめに、弘先生から、紙(工作用紙やケント紙)という身近な素材を使って、歪みのない堅牢で美しい立体を制作するために、講義では以下の4つの基本ポイントが伝授されました。

・力学的構造の組み込み(トラス構造・補強材) 紙はのりなどの水分によってたわみやすい特徴があります。平面のパネルには三角形(トラス構造)や傘の骨のような補強材(内部リブ)を配置することで、負荷を効果的に分散し、強度と復元力を高めることができます。

・紙目(流れ目)の方向設定 紙の繊維方向(紙目)を把握し、荷重がかかる軸線に合わせて配置することで、自重や曲げによるたわみを予防します。

・筋入れ(ハーフカット)でシャープな折り目を出す 手で折るとエッジがブヨブヨと歪んでしまいます。ボールペンの先などを当てて浅く筋(ハーフカット)を入れることで、表皮を割ることなく鋭く均一な折り目を出すことができます。

・接着剤の極薄塗りと圧着 木工用ボンドを厚く塗ると、水分で紙が歪んだりムラができたりします。必ず別の紙の上にボンドを一度出し、薄く均一に塗ってから指やピンセットでしっかり圧着(押さえつける)させます。はみ出たボンドは固く絞ったティッシュですぐに拭き取ることで、綺麗な白さを保つことができます。

また、最初から完璧な図面にこだわりすぎず、実際に組み立てながら「もう少し反らせる」「長さを微調整する」といった現場でのあわせ作業(微調整)を行う余裕を持つことが、完成度を高める重要なコツとして語られました。

講義の後半では、作業技術にとどまらず、デザインやアートの視点から「機能美」についての探究が行われました。

自分の内面を表現する絵画や彫刻(ファインアート)とは異なり、デザインは与えられた目的や機能を果たすために存在します。使い込むほどに味わいが出る「用の美」や、世界最速の航空機を手掛けた設計者ケリー・ジョンソンの「美しい飛行機はよく飛ぶ」という言葉が紹介されました。

目的や機能を極限まで突き詰めて無駄を削ぎ落とすと、構造そのものに自ずと美しさが伴います。同じ機能を果たすのであれば美しさにも徹底的にこだわるという姿勢が、優れた構造物を作り出す鍵となります。

生徒たちは今回の講義で得た科学的・美術的なアプローチや熱心にとったメモを胸に、発射台などの立体構造物の制作作業に取り掛かりました。

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