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多良木駅点字ブロック修復プロジェクト報告★その2

2024年08月02日


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2024年08月02日

多良木駅点字ブロック修復プロジェクト報告★その2

 7月29日、多良木駅での写真です。左から南稜高校さん、球磨工業高校さん、そして第二高校、ブレイルフレンドリープロジェクトの加藤さんです。農業高校、工業高校、普通高校が地域を越えて連携して一つの事業を行うことは珍しいことなのではないでしょうか?この事業は、県の「令和6年度(2024年度)熊本スーパーハイスクール(KSH)構想県指定校事業の支援を受けて実現しました。

 前回の記事と重なる部分もありますが、ご紹介します。

 午前中は熊本県県南広域本部球磨地域振興局で市房ダム管理事務所所長 村田要様、熊本県県南広域本部球磨地域振興局 安藤幸人様に講演をいただきました。県がデザインする防災の大きな流れを理解できたことで、本校が目指す「特異な才能を持つイノベーション人材」がチームとして機能したとき大きな力を持つであろうことを実感しました。

 また、個人でもできる水災害の備えとして「緑の流域治水(10月に本校SSH特別講演会でも実施)」についても紹介いただきました。

 講演後、「自治体の職員の方(関連する企業の方もそうですが)は被災者でありながら災害時はどう対応していたのか」質問がありました。防災や復興では「自助」「共助」「公助」の三つが機能することが大事です。それぞれの立場でやるべき事があること、その全てに「人」がいること、それぞれ「人」に家族や背景があることをお互いに理解し、「個」の視点と「全体」の視点を持つことが重要と学びました。

 この講演を通して、県職員など自治体の仕事に興味を持ったと生徒の感想にありました。また、地域防災への女性の参画が課題として取り上げられることも多くなりましたが、このように学生時代から防災の全体像を学ぶことが解決方法の一つになるのではないかと感じました。

 講演後は移動して、相良村川辺川災害復旧工事見学をさせていただきました。

 間近で見る重機の迫力にも感動しましたし、事前学習で学んでいた、仮設道をつくるための玉石は予想をはるかに超える大きさでした。(土嚢袋くらいと思っていましたら、石一個の大きさがそれくらいでした)。コンクリートで補強された崖についても、側面から杭を打ち込むことで強度が増すことを「豆腐と串」に例えられていました。物理や数学などの理論的な学びが、現実として活用されている現場でした。

 今回参加した13人は美術科11人、普通科2人(うち「世界津波の日 高校生サミット」で発表する生徒が3人)でした。もっと建築・土木系の進路を志望する生徒にアピールしておけばよかったと反省もしましたが、現場監督の味岡建設建設事業本部土木部 田添様からの説明で、ブロック塀の明度、模様のつなぎ方など、美術で学んだことが復旧工事の現場で活かされる場面もたくさんあると気づきました。

 昼休みは味岡建設本社会議室をお借りすることができました。酷暑の中の研修でしたが、熱中症予防のため様々な場面で細やかな配慮をいただきました。

 味岡建設営業部 丸尾様から記念に一勝地駅の入場券をいただきました。人吉球磨地域の学生さんの受験のお守りになっていますね。気になる方は人吉球磨地域の復興のためにぜひ一勝地駅にお越しください。

 午後はいよいよ痛んだ点字ブロックの撤去です。

 ヘラでゴムタイプの点字ブロックシートを丁寧にはがします。このシートが返礼品になります。

 大きなヘラも登場。作業中はもちろんヘルメット着用です。(味岡建設さんからもお借りしましたが、第二高校SSHヘルメットも準備しました!)

 コンクリートで固めたいわゆる点字ブロックの撤去はドリルの出番です。この作業は球磨工業高校建設工学科の生徒さんから指導いただきました。美術科の女子生徒が何人も嬉々としてドリルを操作していたのが印象的でした。「ものづくりが好き」と言う意味では工業も美術も芯の部分は同じですね。

 取り外した点字ブロックの接着剤をサンダーで削る作業です。これも三校交代で行いました。

 高圧洗浄機でそのまま使用する点字ブロックを掃除しましたが、水ハネで本人たちが汚れてしまいました・・・

 この日、地元の利用者の方が応援に来てくださったのですが、洗浄したものと汚れたままでは歩いた感じが全然違ったそうです。また、これまで車で移動することが多かった視覚障がいを持つ方が、このプロジェクトをきっかけに、電車に乗ってみようかなと思ってくださった、というお話を聞きました。高校生たちに話したら皆感激していました。

 2時間の作業で、3回列車が停車しました。その際はくま川鉄道様の指示で作業をいったん中止し、安全な場所で待機します。

 水戸岡英二さんデザインの車両は細部まで美しいですね。

あと一歩で終了時間になってしまいました。生徒の安全の為時間延長無しで行いました。

 最後は三校それぞれの代表者が挨拶をさせていただきました。

 工事を手伝っていただいた味岡建設様、このプロジェクトを企画されたブレイルフレンドリープロジェクトの加藤様、大変お世話になりました。

 持ち帰った点字ブロックは8月末に美術科生徒たちで、点字ブロックアートに生まれ変わります。

★このプロジェクトについてはこちらもどうぞ

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