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アートサイエンス~ロボットのデザイン

2023年08月26日


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2023年08月26日

アートサイエンス~ロボットのデザイン

 1年生美術科学校設定科目アートサイエンス(AS)では、今年度は3つの班に分かれて探究活動を行っています。

 絵の具班、ロボット班、盲学校コラボ班です。

 そのうち、ロボット班は「こんなロボットあったらいいな」をテーマにロボットのアイデアを具体化し、クレイモデルを制作しました。

 ロボットを製作するとなると、理工系でも高校生にはハードルが高い内容ですが、美術科の生徒たちは、ロボットのアイデアとモックアップ(外見を再現した実物大模型)の製作を行いました。

 まずは1学期にアイデアスケッチとコンセプトをまとめ、中間発表を行いました。講師の大村充弘先生(九州中央リハビリテーション学院、崇城大学講師)からは、介護やリハビリの知識に基づくロボットの動きや構造の助言をいただき、造形上の課題などを話し合いました。それから、夏休み期間中アイデアを練り、8月21日~25日、クレイモデルを製作しました。粘土での制作も彫刻が専門の大村先生に指導いただきました。

 

 このロボットは、勉強を教えてくれない学習ロボットです。持ち主は、このロボットに勉強を教えてあげ、ロボットが学習します。矛盾しているようですが、学習は人に教えるとより定着するといいます。子どもたちが勉強したことをロボットに話しかけて習得した内容を再現することで、学習意欲を高め、より深い学びに導きます。このアイデアは、近年注目されている「不完全なロボット」に発想のヒントを得ています。常識的には「ロボットは合理的に人の代わりに働くもの」でありますが、あえて「非合理的に働く」ロボットを考える事で、誰の為に、何のために働くロボットを製作するのか、目的が明解になります。

 最初から、こんな結論になったわけではなく生徒たちのアイデアに講師の先生が意表を突かれたり苦笑いしつつ、どうしてそう思ったのかを聞いていくと、徐々にデザインとして成り立っていきました。図らずも、近年話題のHAI(Human-Agent Interaction)を思い起こさせるような、アイデアになる可能性も感じてしまいました。

 

 このロボットは狭いところに落ちたものを拾ってくれる「オコジョ型ロボット」です。生物の構造と目的を一致させたアイデアで、ロボットそのものも可愛くできています。

 粘土で造形をしたあとは、石膏で雌型を取り、樹脂で成形します。

 割り出すとこんな感じです。5日間の苦労が報われた瞬間です。

 この足は「人間そっくりの生活音を出してくれるロボット」の足の部分です。一人で家にいて寂しいときに、他に誰かいるような音を出してくれます。

 これらの作品はまず10月11日から15日まで熊本県立美術館本館で行われる熊本県立第二高等学校美術科制作展で学習成果の一つとして発表されます。

 今後は、このアイデアを具体化できる連携先を探す予定です。よいお知恵がありましたらぜひ第二高校美術科までご連絡ください。

 さらに、このロボットのアイデアを活用し、高森高校マンガ学科の生徒たちとコラボをする予定です。こちらもお楽しみに!

 

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