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熊本県立大学理事長 黒田忠広先生 講演会

2025年12月10日


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2025年12月10日

熊本県立大学理事長 黒田忠広先生 講演会

11月28日(金)アクティブラーニングルームにて、熊本県立大学理事長、黒田忠広先生に講演会「半導体を学ぼう」が行われました。

初めに、熊本に建設されたTSMCのような大規模工場では、危険な作業や24時間稼働のタスクはすべてロボットが実行しており、人間はロボットが集めたデータを分析し、生産の微細な調整を行う役割を紹介されました。この現状を聞き、工場はもはや力仕事がある「男の職場」だという固定観念は誤りであり、黒田理事長が「もっと女性に現場に来て欲しい」と述べるほど、女性が活躍できる職場であることを知ることができました。

次に、AGI(汎用人工知能)到来後の人間に残された役割についてのお話がありました。多くの専門家が2030年頃にAGIが到来すると予測しており、会計や専門知識の提供など、多くの仕事がAIにカバーされるという事実に、私たちは未来への危機感と同時に期待を感じました。このAI時代において、人間に残される最も重要な役割は3つだと示されました。それは、複雑な社会の「社会課題の発見」、その解決のためにAGIを「使い倒す」こと、そして「最終的な意思決定」を行うことです。特に、半導体技術を使うことで、熊本の深刻な交通渋滞の解決や、農業における水資源の消費量を50%削減できるという具体的な例を聞き、半導体産業が半導体を「作る」だけでなく、「使う」ことによって社会を広く変革できる可能性に強く引き込まれました。

最後に、「剣山型」人材についてのお話がありました。黒田理事長は、AGIが知識を提供する将来では、一つの専門性を深めるT型人間ではなく、AIが提供する多様な知識を組み合わせて問題解決を図る「剣山型」の人材が求められると提言されました。私たちは、幅広い経験を持ち、失敗も含めて手触り感のある感覚を持つことが、これから社会で活躍するために不可欠であると認識しました。

講演後には、AIの脅威やレアメタルについての質問が飛び交い、学びを深めました。謝辞を伝えた女子生徒からは、「工学系は縁がないと思っていたが、今回の話を聞いて、半導体をしっかり使いこなせる人間になりたい」という力強い感想がありました。

     

1時間程の講演会でしたが、あっという間でとても勉強になった講演会でした。黒田理事長、熊本県立大学の皆さま、ありがとうございました!!

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TEL:096-368-4125 FAX:096-365-5636

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