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SSH特別講演会 大阪大学大学院生命機能研究科 近藤 滋 先生

2023年11月06日


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2023年11月06日

SSH特別講演会 大阪大学大学院生命機能研究科 近藤 滋 先生

本日午後SSH特別講演会が対面とオンラインのハイブリッド形式で行われました。

講師は大阪大学大学院 近藤滋先生

講演テーマは「生き物がつくる不思議なカタチ」で行われました。

初めに、近藤先生より、自身の経験と探究することの面白さを(探究)=(宝探し)という例えを使って、生徒にお話しをして下さいました。

次に、生徒へのミッションとして、近藤先生より大きさの異なる2種のビーズをガラス管に入れ、クルクルと回転させると、非常に興味深い変化が起きることについて、全校生徒で考える時間が設けられました。

試行錯誤中の対面会場の様子です。

近藤先生のヒントももらいながら少しづつ答えに近付いていきます。

1時間程ディスカッションが行われた後、正解が発表され、生徒からは「あぁ〜」と

感嘆の声があがっていました。

その後、実際の研究についてのお話や、講演中の生徒の質問にたくさん答えて下さいました。

お話の中では、海外での経験や、近藤先生が以前所属されていたという本庶佑先生とのエピソードについても紹介いただき、生徒は最後まで非常に楽しみながら聞いていました。

最後に、理数科2年生が「現在、課題研究に取り組んでいるが、これからは第1印象や固定観念にとらわれず課題研究に取り組んでいきたいと思いました。」と謝辞を述べ、会は終了しました。

お忙しい中、御講演いただきました近藤先生、本当にありがとうございました。

以下、生徒の感想です。

〈生徒の感想(抜粋)〉

●3年理数科:何はともあれまず一言、最高に楽しかったです。1〜 10 まで知らないことだらけで、興味深いことだらけでずっと楽しかったです。聞いていた中で特に印象に残ったのは、今回の近藤教授の研究の発端が「水族館でふと疑問に思ったことが研究のスタートであった」ということです。日々の何気ない、それこそ当たり前のように思われているものの中に疑問を発見してそれを追求していくという態度が 研究をしていくにあたって大事なのであると感じました。何よりその研究において分からないことを楽しみ続けることが続けていくコツなのであると強く感じました。

●3年美術科:この講義のオリエンテーションの時から興味を惹かれる内容だと思っていましたが、本日実際に講義を聞いてみて、想像以上に面白く、自らの好奇心を掻き立てられたように思います。より良い研究にするために何を選ぶべきかというところから、近藤先生の研究方法、研究結果まで、一連の流れを知ることができてとても参考になりました。私は、理論的な説明などからはかけ離れた美術の世界で生きていますが、真逆の世界でありながら共通点を見つけました。それは、「やりたいことが先行していること」です。近藤先生は、謎は宝であるとおっしゃっていました。美術の世界でも、自らの表現したいもの(謎)が根底にあった上で、「それならばこのような表現方法が一番あっている」、「もっと自分の表現したいことを画面に表現できる技法や術はないのか」と、その謎を表に出すことができる方法を考えます。 しかし私には、明確な「謎」がありません。無いはずの謎を画面に出す方法を考えています。近藤先生の講義を聞きながらやはり何事も、自らがこの世界に具現化したいものを持っていなくてはいけないのだと改めて考えさせられました。分野は全く違いますが、大切なことに気がつけたと思います。ありがとうございました。

●3年普通科文系:私は文系ですので進路とあまり関係はありませんが、小さい頃から NHK の「ダーウィンが来た」など自然教養番組は好きでよく見ていました。生き物は不思議で可愛く(気持ち悪い生物も居ますが…)水族館や動物園に行くのも好きでした。小さい子はみんなそうなのかもしれませんが。 そうした生物の不思議をミクロな世界で物理学や数学など他の学問と関係させながら研究していらっしゃる方々がいらっしゃることは大変素晴らしいことと思いました。私は政治・経済で受験をする予定ですが、 政治の世界で縦割り行政は国民に弊害を及ぼすように、経済学の世界で金融政策と財政政策はどちらも協力して実施しなければ効果がないように、科学の世界でも「縦割り科学」は弊害をもたらすこともあるとわかりました。もっとも現代の科学は専門的になりすぎてそれを総合的に把握できる天才はなかなか現れないと思いますが。

●3年普通科文系:今回この講演を通して第一に、講演をしてくださった近藤先生自身の研究企画の発表 ・プレゼンテーション力が私にとって印象に残りました。特に研究を”宝探し”に見立てて一般的に認知された宝探しの類型を箇条書きにする点は非常にユーモアがあり、自身の研究に共通点を見出しているところは私自身の研究企画書等の発表に活かすことができたらいいな、と思いました。また、講演内容も私には一見とっつきくそうなものでしたが非常に面白かったです。

●3年普通科理系: 先生の研究なお話や、今まで聞いたこと・見たことがないような貴重な経験をでき たと自負しています。今回の模様のしくみで聞くことの多かった”波”ですが、波はなぜ同心円状のように広がるのでしょう。また、海やプール、水辺などで見られるコースティクスもこれらの模様と同じような仕組みなのでしょうか。ここからは持論になりますが、波が広がる際の波紋の広がり方は、太陽系の各惑星の軌道と似ているような気がして、関連を疑わざるを得ません。私も将来先生のように自分の疑問を自身の力のみで解明して見せたいです。

●2年理数科:今回の講話を通して、他学年や他の学科の人の質問などを聞いていろんな方向性の質問があり、自分では気づかないことなどを聞けて間接的に交流でき楽しかったです。また、最後のあいさつの言葉や科学哲学で習ったように第一印象や固定観念にとらわれず課題研究に取り組んでいきたいと思いました。将来研究関係の職につくことも視野に入れているので私も小躍りできればなと思いまし た。

●2年美術科:この公演で近藤先生が仰っていた、探究が一段落したら次の謎に向かうというのは、芸術でも通じると思った。私は理科や数学は苦手で、私の中では研究者と芸術家は対に居る存在だけど、好きなものに熱中しているという点は変わらないのだなと思った。また、近藤先生の行動力が凄まじいなと思った。自分の表現したいことを、自分が納得するまで深く探究するためにも、動かなきゃなと思った。

●2年普通科:最初、ビーズが色で分かれたときはとても驚きました。友達と理由を考えましたが、全然分かりませんでした。条件が揃っていれば身近に起こると知って、身の回りのもので同じ現象のものを探してみようと思いました。私は文系に進む予定で数学や理系分野は苦手でマイナスなイメージがあったのですが、今回の講義が面白く、少し興味を持ちました。研究=宝探しという言葉が印象に残りました。先生が仰っていたように進められるように頑張りたいです。

●1年理数科:僕は今まで、「生物の模様にはなにか理由がある」とは思っていましたが、例えば「ストライプにはハエを寄せ付けない効果がある」など信ぴょう性のない理由や、「まだ解明されてない」で疑問をむりやり解決していました。しかし、今回の講話を聞いて、ダーウィンの進化論に囚われていたと実感させられました。常識にとらわれずに物事を考え、発見していく面白さを僕も体験して行きたいと思い ました。

●1年普通科:どうして生物にはストライプの模様や楕円などの模様ができるのか、という議題がとてもおもしろいなと思いました。また、それについて研究し続け、結果をだしている人がいるということに驚きました。魚のストライプ模様ができる原理については理解できました。しかし、新たに疑問が湧いてきて、「カメレオンやイカなど自分のいる環境にあわせて自分の身体の模様や色を変化させることができるのはなぜか」ということです。これについてはいろんな論文とかを自分でも調べてみたいなと思いました。

●1年美術科:自分は美術科であり科学を学ぶタイミングがないけれど今回の授業を通してまなぶことができてよかった。全学年通して同じ授業をリモートではあるけど一斉にやるというのがなにか新鮮でいいと思った。また、講師の方がリアルタイムで質問に答えてくださるため、普通にその場で授業しているような感じがした。

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