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2024年12月02日
11月29日、期末考査最終日の午後を活用して、この数年の検討事項であった、第二高校で管理している考古資料「箱式石棺」の移設が終わりました。
昭和40年代に嘉島町から第二高校に移設され、熊本地震で被害を受けた管理棟工事に伴い、平成29年美術棟とセミナーハウスの間に仮に動きました。熊本地震から8年が経過し、設置場所の環境が徐々に変わって日当たりがよくなりすぎ、上屋が傷んできたことから、石棺の保護が難しいのではと危惧するようになりました。そこで、この数年、文化課や各方面に相談し、準備を進めてきました。昨年度、石棺の問題をテーマ研究に取り上げた生徒もおり、学校内外で発表の機会をいただきました。石棺に対する意識が高まったところで、今年移設が可能となりました。
11月29日(金)
13:00 職員、熊本県装飾古墳館学芸員、移設補助業者(田尻石材工業さん)打ち合わせ
13:30 生徒集合。小雨でしたが、タイミングを見計らって、石板をトラックに積む。
14:00 移設場所の図書館に移動。過去の資料を元に、石板の位置を確定。同時に写真撮影を行う。
15:15 写真撮影、位置特定完了。上屋に順番通りに移す。養生シートをかぶせる。
15:45 片付け、記念撮影。
今後は、1月7日にお世話になった熊本県装飾古墳館を訪問し、画像や考古資料の整理の学習。石材の3D画像のサンプルを作成します。
12月21日(土)KSH全体発表会「県立高校 学びの祭典」の第二高校学校紹介ブースで今回の写真を展示する予定です。
「県立高校 学びの祭典」 - 熊本スーパーハイスクール(KSH)
これまでに、各方面の方々に助言や尽力いただきました。ありがとうございます。
このプロジェクトのゴールは「適切な手続きを踏めば、思いは叶う」ことを生徒に伝えることです。諦めずに、調整しながらコツコツとプロジェクトを進める、そんな機会となりました。
以下、写真ともに、様子をお伝えします。
上屋を動かした状態。
2~3人で一組になって、慎重に石を荷台に運びます。特に大きいものは業者さんにお願いしました。ヘルメットも安全のために必須(第二高校SSHマークが入っています)。
移設場所である図書館の中庭にシートを敷き、番号順に並べていきます。
こびりついた土をやさしく丁寧にのぞいていきます。
割れた破片をパズルのように合わせていきます。
破片は層になって割れており、3次元パズルのようでした。この時、理数科の生徒をはじめに、自然とパズル班ができ、どんどん組み立てていきました。
有志の10人は元々科もクラスもバラバラで、最初はおとなしめに動いていましたが、どんどん積極的になり、プロジェクトチームとしての成長を感じさせてくれました。
写真撮影は美術科・普通科で放送部の2年生が担当しました。学芸員さんに方法を教わり、どんどん手際よく作業をしてきます。
赤と茶色に色が分かれており、赤い部分が硫化水銀によってつくられたと思われる顔料の部分です。これから、成分分析等チャレンジしたいと思います。
これは蓋の部分
これは石棺の壁面の部分。床面は玉石が敷き詰められたと思われます。
平成29年の移設で調査されていた内容をそのまま残し、今後この石棺について調査しやすいように再設置できました。
専修の事前準備で石板と一緒に保管されていた小石の仕分けの様子。
図書館閲覧室のちょうど石棺が見える場所に考古学コーナーをつくっていただきました。
★移設前の様子
★移設後の様子
今後は雨が設置した部分に流れ込まないように、雨庭を参考に溝を掘り、水はけをさらによくする予定です。
昭和40年代の旧・考古学部の先輩たちの研究が、令和の高校生によって再調査されました。今回は画像資料の作成中心でしたので、さらに内容を深められるよう、次の世代に探究のバトンを渡したいと思います。
応援・ご尽力いただいた皆様、ありがとうございます。
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