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美術探究SSH特別講義「文化財保存と街中美術館の役割」

2020年11月07日


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2020年11月07日

美術探究SSH特別講義「文化財保存と街中美術館の役割」

 11月6日(金)は6時間目に1年美術科の美術探究、放課後は希望者対象の講演会を行いました。

 この時期美術科1年生は九州国立博物館に文化財保存講義とバックヤードツアーに行きますが、コロナの対応として熊本の美術館に講演をお願いしました。今回の講義では九州国立博物館の講義にもあった「文化財を守る」信念と具体的な取り組みを学ぶことができました。

 肥後の里山ギャラリーは肥後銀行本店にあります。

 前半はCSR(企業の社会的責任 / Corporate Social Responsibility)に関わる内容として、肥後銀行が行っている地下水保全、水田灌水事業、草原維持活動、啓発活動として地下水啓発DVDの制作について説明がありました。企業は利潤を追求するだけでなく、「企業が社会に与える影響について責任を持ち、社会の持続的発展のために貢献すべきとする」考え方を講義されました。

 さらに、メセナ(企業が直接本業とは関係ない演劇公演や美術展、音楽会などを主催すること)の意義について触れ、ギャラリーの運営や文化時事業への支援をあげられました。

 特に、「領内名勝図巻(りょうないめいしょうずかん)」に関わる資料は圧巻で、絵巻と同じ場所で撮影した写真をセットで鑑賞できました。「領内名勝図卷」は肥後細川藩を中心とする名勝の絵巻物で、江戸時代中期の熊本の風景を今の私たちも見ることができます。時の藩主が大名サロンでお披露目していたもののようです。そう思うと、歴史上の人物も親近感がわきますね。

 

 最後に、戦国時代から頻発した地震をはじめとする災害と現代の状況を比較し、歴史に学ぶこと、「想定外」では言い訳にならない、文化財を守る施設として災害に対して十分な準備を行う姿勢を示してくださいました。(歴史と現代の災害をつなぐ研究は、歴史学者 磯田 道史さんの著書にもありますよね)

 お忙しい中ありがとうございます。美術に携わる者にとって、「知る責任」のある内容でした。

 

 

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